X柱が規定する、部屋のない学びの場

common 流山おおたかの森 S・C校

子どもの試行錯誤を後押しする、民間のアフタースクールのプロジェクト。挑戦を触発するcommonの教育方針に応えるべく、廊下と教室という一般的な空間構成ではなく、廊下を設けずに、柱とその柱に内包された建具によってフレキシブルに学びの場所をつくりだすシステムを考案した。
ショッピングセンターのテナントとして与えられたこの空間には、建物の硬い柱のグリッドが強い存在感を持っていた。そのグリッドを破壊するべく、X型の壁で柱を囲み、建物のグリッドから45°角度を振って照明器具等を配置し、このテナントだけのグリッドを建物の中に生み出した。

DETAIL

PLANNING

45°グリッドとX柱

大規模ショッピングデンターのテナントのため、区画内には数本の大きな柱が存在していた。意図しない大きな柱によって空間が規定されてしまうことが、子どもたちの自由を制限してしまう。そこで、この柱をX型の壁で囲い、空間からこの柱の存在感を消すことを試みた。新たに空間に生まれたX型の柱には建具が収納される。この建具の開閉によって、学びと遊びのスペースを規定する。廊下はない。建具の開放の組合せによって、場が自由に組み替えられる。教室という枠組みから開放された、自由な学びの場が生まれている。

  • 所在地 千葉県流山市
  • 用途 アフタースクール
  • 床面積 276.257㎡
  • 設計監理 蘆田暢人建築設計事務所 
    担当:蘆田暢人、河原清子
  • 施工:内装 森田材木 担当:染谷和夫
  • 施工:家具 松本家具製作所
  • 写真 繁田諭