地域に寄り添う建築を目指して

SOCIE/大同工業本社ビル

伊東という地において長きに渡り、本社を構える事務所ビルは、建築としていかにこの場所に存在すべきか。単なる事務所ビルであるだけにとどまらず、地域の人々が日常的に利用でき、賑わいを生み出すことが大切である。また、災害など有事の際には周辺住民の避難場所としても機能するような、地域に開かれ、地域の拠り所となるような建築を目指した。
伊東の大地の力強さに呼応するため、強いシンボル性を持つ幾何学的形態が必要だと考えた。また、そのシンボル性は伊東の自然と調和するために天然素材であるべきである。山に囲まれたこの土地の風景に対して、焼杉でつくられた立方体を建物の高層部の形状として採用した。建物の足元は伊東の大地から採られた石積みで構成している。

LOCATION

伊東の大地に屹立すること

伊豆半島は衝突している火山島であり、伊東は強い大地の力を持つ街である。その大地に計画された創業100周年を迎える建設会社の本社ビル兼賃貸住宅のプロジェクトである。この土地に建つこと、そして民間の事務所ビルが地域にどう貢献できるか?という課題から設計がスタートした。

DETAIL

コンセプト模型

大地の力強さに呼応する木の立方体と、有事の際には避難場所としても機能する、街に開放されるデッキテラスが建物を特徴づける。

風景に溶け込む力強い形態

焼杉の立方体と3階の大きな庇、2層のデッキテラスで構成されたヴォリュームは地域のランドマークとなる。

市民に愛される建物となるために

建物のオープニングには多数の周辺住民の方がお祝いに駆けつけてくれた。これからも地域に愛される建物となることを願っている。

  • 所在地 静岡県伊東市
  • 用途 事務所および共同住宅
  • 規模 地上6階
  • 構造 鉄骨造 一部 RC造
  • 敷地面積 1,623.89㎡
  • 建築面積 429.87㎡
  • 延床面積 1,798.72㎡
  • 設計監理:建築 蘆田暢人建築設計事務所 
    担当:蘆田暢人、善岡亮太、髙橋侑平
       王兪驊
  • 設計監理:構造 村田龍馬設計所 
    担当:村田龍馬、小坂大和
  • 設計:設備 YSE-DO 担当:依田和幸
  • 施工 大同工業 担当:大川真人
  • 写真 井上玄

※地形データの画像は『3Dカシミール』で作成 http://www.kashmir3d.com/ しています。