地形と構法から形を生み出す

熱海の塔状住居

熱海の急傾斜地に計画されたこの住宅では、海へと広がる雄大なビューを最大限に獲得するため、クライアントからはリビングルームを4階レベルに設け、各室を下層階に配すること求められた。海から吹く風が強く、風による振動を防ぐためにRC造を採用することとしたが、必要な室ヴォリュームと求められた高さを確保するには、塔状の形状と最上階に大きなヴォリュームが必要であった。急傾斜地の敷地でのRC造の施工を考えると、最上階がキャンチレバーとして張り出す建物の形状は無理がある。支保工を建てることができないためである。そこで、求められた各階のヴォリュームをずらしながら積んでいくことで、一層下の階が支保工の土台となり、求められたヴォリュームと高さを確保することができた。ずらすことで生まれた空隙には、テラスや将来増築が可能なスペースを設けた。

DETAIL

PLANNING

  • 所在地 静岡県熱海市
  • 用途 住居
  • 規模 地上4階建て
  • 構造 鉄筋コンクリート造・耐力壁付ラーメン構造
  • 敷地面積 282.42㎡
  • 建築面積 46.54㎡
  • 延床面積 139.38㎡
  • 設計監理:建築 蘆田暢人建築設計事務所 
    担当:蘆田暢人
  • 設計監理:構造 村田龍馬設計所 
    担当:村田龍馬、小坂大和
  • 施工 大同工業 担当:原慎一郎
  • 写真 井上玄
  • プロデュース アーキビルダーズ