職人の手仕事を子どもの生活空間に
GG KIDS インターナショナル保育園 不動前
乳幼児が1日の大部分を過ごす保育園は、子どもの成長過程に大きな影響を与える。そのあり方は現代における住宅との対比で考えなければならない。保育園という場所で、現代の住環境が失ってしまった価値を幼児期の記憶に埋め込めないかと考えた。「GG KIDSインターナショナル保育園」は、英語で保育を行う。「国際化の第一歩は自国の文化への理解である」という信条が、園の教育方針とも合致した。
その信条の元、テナントビル1階の保育園ながら、ほとんどを木工事で行い、大工の丁寧な手仕事を活かしきることを意図した。欄干で仕切られた通路空間、床をもつ和室など、伝統的な住宅の要素を保育スペースにアレンジしながら居場所をつくっている。奥の2層になったスペースは、大人が立てない天井の高さで子どもに最適化された場所である。人工芝やデンと呼ぶ洞穴などがあり、子どもたちが空間自体を楽しめる。デンの天井は三次曲面でできた左官で、これも職人の技あってのものだ。
「普請」ー いまではあまり使われなくなったこの言葉を、現代に生きる子どもたちの空間をつくる上で、再び考えてみた。
DETAIL
- 所在地 東京都品川区
- 用途 保育所
- 規模 テナントの1階
- 延床面積 158.07㎡
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設計監理
蘆田暢人建築設計事務所
担当:蘆田暢人、河津恭平 - 施工 大森建築 担当:大森康司