気候変動の時代を生きる都市住宅
世田谷の浮居
我々は気候変動の時代に生きている。日常化する災害。2019年に世田谷で起きた水害の記憶は新しく、それは高度に近代化され、治水システムが確立されたと思われていた東京ですら、水害から逃れ得るものではないという事実を我々に突きつけた。
水害を受けた敷地に立つこの住宅では、道路からフロアレベルを1m程度上げ、建物の接地面積を最小にし、居住スペースを地面から浮かせた。2階の床までをRCでつくり、その上にラーメンフレームの木造架構を載せた構造体とした。住居の中心に、穴を穿つようにあけた地下1階から3階まで続く階段は、各階すべて異なる支持方法と素材でできている。階段も含めた床が角度と素材を変え、重層化して住居に垂直の奥行きを与えている。
気候変動時代における都市住宅のプロトタイプを模索すべく、取り組んだプロジェクトである。
DETAIL
- 所在地 東京都世田谷区
- 用途 住居
- 規模 地下1階 地上3階建て
- 構造 RC造+木造(一部木造ラーメン)
- 敷地面積 89.11㎡
- 建築面積 43.84㎡
- 延床面積 134.85㎡
-
設計監理:建築
蘆田暢人建築設計事務所
担当:蘆田暢人、王兪驊 -
デジタルデザイン
蘆田暢人建築設計事務所
担当:高橋祐亮 - 設計監理:構造 村田龍馬設計所 担当:村田龍馬
- 不動産コンサルタント 創造系不動産 担当:須永則明
- 施工 栄港建設 担当:齋藤大作
- 写真 中山保寛